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いよいよ7月、パリオリンピックが開幕します。その中の新種目、競歩男女混合リレーに出場する、北上市出身の高橋和生選手が、初めてのオリンピックに闘志を燃やしています。
(浅見智キャスター)
「長野県の志賀高原にやってきました。標高は1500メートル前後あって、街中に比べるとかなり涼しく感じます。ここで高橋和生選手が合宿を行っています」
北上市出身で、現在は東京の不動産会社ADワークスグループに所属する、競歩の高橋和生選手28歳。
来月開幕するパリオリンピックの競歩で導入される、男女混合リレー種目の代表選手に選ばれました。
(高橋和生選手)
「信じられないというか、自分でも夢にまで描いたオリンピックの舞台だったので、あまり受け入れられなかったんですけど、最近になってようやくこの合宿ぐらいから、やってやるぞっていう思い」
北上市生まれの高橋選手ですが、小学校2年生からは奥州市で育ち、中学生までは野球少年でした。硬式野球チーム、水沢リトルで一緒だったのは、2年先輩で、現在はメジャーリーグ・ドジャースで活躍するあの大谷翔平選手です。
(高橋和生選手)
「(当時から)投げてもスピード速くて、打ってもホームラン連発で。リトルリーグが一緒だったとかなくて今はもはや。いちファンとして毎日のようにニュースに出てくるのですごいなと思ってみています」
大きな目標を持つことの大切さはこの少年野球時代に学んだと言います。
花巻北高校に進学後、陸上部に入部し競歩の才能を見出されると、3年生のインターハイ、5000メートル競歩で3位に入賞するなど頭角を現しました。
高橋選手の強さは、フォームの美しさとその持続性です。
競歩は、フォームが乱れ警告を受けるとペナルティが課せられたり、失格になったりします。
高橋選手は、レース終盤でもフォームを崩さずにスピードに乗った攻めの歩きを続けることができます。競歩トップ選手のスピードは自転車の平均速度、時速15キロほどにも。
並走してみると・・・
(浅見キャスター)
「速い!追いつけない!全速力でも追いつけない。あのペースでレース中走るわけではない?」
(高橋和生選手)
「試合はもうちょっとゆっくりだが、ラストスパートとかになるとあのくらい、ピッチとストライドを広げて歩く感じですね」
高橋選手がオリンピックで出場するのは、新種目の競歩混合リレーです。男女の選手がペアとなり、男子、女子、男子、女子の順に1人2回ずつ、合計で42.195キロを競う種目です。
(高橋和生選手)
「(混合リレーは)見てる側としては順位の入れ替わりがより激しくなると思うので、おもしろい種目だと思うが、やっている本人としては、1本歩いて45分ぐらい休んでもう1本歩くとなると、精神的にもきつい種目」
今回の合宿にはペアとなる候補の女子の代表選手2人も参加しています。富士通所属の岡田久美子選手は、今回で3度目のオリンピックです。
(岡田久美子選手)
「(高橋選手が)一生懸命取り組んでいる姿はずっと見てきましたし、明るくて、人に気を遣うこともできますし、結果を残してオリンピック代表になってくれてすごく嬉しい。みんなで力を合わせていい結果、メダルを目指していけたらいい。」一方、立命館大学3年の柳井綾音選手は、初めてのオリンピックです。
(柳井選手)
「頼らせていただいているというか、(高橋選手は)すごく心強い先輩だなと思います。男子の先輩は、すごく強いのでしっかり先輩の勢いを、自分がつなげられるように頑張りたい」
岡田選手と柳井選手、どちらが高橋選手とペアを組むことになるかは、まだ決まっていません。
今回の合宿には3人を含む選手5人とコーチやトレーナーが参加していて、食事の際には家族のような和気あいあいとした雰囲気になります。
(食事中のわいわい)
「大谷翔平選手のわんちゃんのデコピンTシャツです。同じく。ありがとうございます。(おそろいですね)一緒にしたいというので」しかし、練習では競い合いながら切磋琢磨しています。
志賀高原での合宿はあすまで。
今後さらにコンディション作りを進め、パリに臨みます。
(高橋和生選手)
「最大限の準備をしてメダルを持って帰ると。その中でも一番いい色の金メダルを岩手に持って帰って、いい報告ができるようにしっかり頑張りたいと思う」
「攻めの歩き」で、見据えるのは初のオリンピックでの金メダル。
高橋和生選手は、静かに闘志を燃やしています。