ソフトバンク打線に勢いをつけた正木智也 期待を込めたスタメン起用で結果 小久保監督「危機感を持ってやっている」

1回2死一、二塁、甲斐の2点適時二塁打で生還し、ベンチ前で笑顔を見せる正木(中央)(撮影・穴井友梨)

◆ソフトバンク9―4ロッテ(21日、北九州)

今季初スタメンの期待に応えた。21日に1軍復帰したばかりの正木智也だ。1点リードの初回2死一、三塁で小島の変化球を捉えて中前適時打を放った。「打つまでは不安だったけど、打ててほっとした。やってきたことが正しかった」と塁上でガッツポーズを見せた。

今季は4月に1軍昇格するも、わずか2打席で降格した。その間に同じ慶大出身の柳町達や廣瀨隆太が1軍で躍動した。「焦りはなかったが、一緒に活躍したいと思って練習を頑張った」。チームメートの近藤健介の打撃フォームを参考にするなど、試行錯誤を続けた。

2軍では打率3割を超え、6本塁打と結果を残し、再び1軍でチャンスをつかんだ。昇格後の初戦に「6番左翼」で起用した小久保裕紀監督は「危機感を持ってやっていると思う。良いスイングをしていた」と合格点を与えた。

正木の躍動に呼応するように打線の勢いも加速した。今宮健太や廣瀨にも一発が飛び出すなど、北九州の舞台で計18安打9得点。今季2度目となる先発全員安打も記録した。

交流戦前に3連敗したロッテとのカード初戦を制し、小久保監督も「交流戦に入ると勝手に流れが変わるので(悪い)意識はなかった。いいスタートが切れた」とうなずいた。期待の若手の成長とともに、リーグ再開の初戦を快勝で飾った。(大橋昂平)

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