夏本番を前に、日よけに使われるよしずの製造が県内の生産農家で最盛期を迎えている。
60年近く携わる栃木市藤岡町部屋、農業松本八十二(まつもとやそじ)さん(82)方では渡良瀬遊水地産のヨシを使い、年間を通じて製造。今年は、月平均気温が平年より高かった4月から住宅用の注文が増え、既に300枚近くを県内外に出荷した。
関東甲信地方が梅雨入りした21日は、久々に涼しい作業場の中で、しゅろ縄を通した機械のペダルを踏みながら、長さ2.7メートルに切りそろえたヨシをテンポよく編み上げていった。
松本さんは「昨夏の高温で太くて丈夫なヨシがそろった。梅雨もすぐに明けて厳しい暑さになりそうなので、少しでも作業を進めたい」と話した。