阪神 大山弾!復帰2戦目で4号ソロ 2点目適時打&連日マルチ 連勝ストップも「4番」に復調気配

 2回、左翼スタンドへ先制ソロを放つ大山(撮影・立川洋一郎)

 「阪神2-5DeNA」(22日、甲子園球場)

 4番らしい、鮮やかなアーチにスタンドが沸いた。阪神・大山悠輔内野手(29)が二回先頭から、4号ソロを放った。1軍復帰した21日のDeNA戦ではマルチ安打を記録していた中、本塁打に続いて四回には適時打も記録。連勝が3でストップする敗戦を喫したものの、大山の輝きが次につながる明るい材料となった。

 先制の一発も、1点差に迫るタイムリーも勝たなければ意味がない。クラブハウスへと続く通路。大山は厳しい表情を崩さなかった。「チームが勝つか負けるかなので。明日勝てるように頑張ります」。敗戦の悔しさをかみしめ、主砲は一歩ずつ着実に復活ロードの歩みを進めている。

 豪快な一撃は先頭で打席に立った二回に飛び出した。カウント1-2からDeNA先発の東が投じた4球目、高めに浮いたチェンジアップを逃さない。完璧に捉えた打球は高い弾道で左翼席に着弾。4番の待望の一発に聖地は大歓声に包まれた。

 飛距離123メートル、打球速度167キロを記録した先制の4号ソロ。「チームとして先制点を取ることができてよかった」。1試合2発を放った5月3日・巨人戦(東京ドーム)以来、1軍復帰後初の本塁打となった。

 今季は開幕から打撃の状態が上がらず、再調整のため5日に出場選手登録を抹消された。約2週間、ファームで調整を続け、リーグ再開となった21日のDeNA戦で17日ぶりに出場選手登録。即「4番・一塁」で起用されると4打数2安打をマークし、取り組みの成果を結果で示した。

 1軍に復帰して2戦目。この日は勝負強さも発揮した。2点を追う四回。無死一、三塁の好機で、再び左腕のチェンジアップを捉えた。痛烈な打球は三遊間を破る左前適時打。「しっかり後ろにつなぐ意識でした」とコンパクトな打撃で1点差に詰め寄った。

 5月22日の広島戦(マツダ)以来となる1試合2打点。再調整後、上向きつつある主砲の打撃について岡田監督は「(1打席目は)だいぶ前でさばいてな。あんだけ前で打ってるの、他の選手みたら分かると思うけどな。打ってるやつと打ってないやつの違いがな」と復調気配を感じ取っていた。

 逆転負けを喫し、交流戦からの連勝は「3」でストップ。首位・広島とは2.5ゲーム差に広がり、3位のDeNAには0.5ゲーム差に迫られた。ただ、猛虎の4番の状態は本来の姿に戻ってきている。帰ってきた大山がチームの勝利、首位へと浮上させるために全力を注ぎ続けるだけだ。

© 株式会社神戸新聞社