「彼は日本の宝」パリ五輪体操日本代表・岡慎之助選手 二十歳が思い描く世界の檜舞台【岡山】

パリ五輪の開幕まで1か月余りとなりました。

岡山・香川からも、代表入りを決めた選手たちが長年夢見てきた舞台に向け準備を進めていますが、そのうちの1人が、岡山市出身・体操の岡慎之助選手です。

代表監督が「日本の宝」と認める岡選手、最後の公開練習で五輪に懸ける思いを聞きました。

(岡選手)
「一番大事なのは『団体で金メダル』っていうところですけど、しっかり個人総合でも金メダルっていう目標があるんで、自分の出し切れる力を最大限に出して、金メダルっていうところを取りたいと思っています」

全身が一直線に伸びた美しいフォーム。体操パリ五輪日本代表・20歳の岡慎之助選手です。

岡山市出身で、岡山市立興除中学校を卒業後、鎌倉市の徳洲会体操クラブに入った岡選手。先月、代表選考会を兼ねたNHK杯で優勝し、五輪への切符を手にしました。

2年前の右ひざ前十字靭帯断裂の大けがを乗り越え、掴んだ夢の舞台がいよいよ来月開幕します。先日、岡選手が所属する神奈川県鎌倉市の徳洲会体操クラブで五輪前、最後の公開練習が行われました。

(岡選手)
「日本が苦手とする吊り輪っていうところと、自分の得意な平行棒でしっかり点数を伸ばせれば、ライバルである中国にも勝てると思うんで」

吊り輪と平行棒、鉄棒の3種目を軸に練習を行った岡選手。身長159センチの小さな身体から繰り出す美しく柔らかい演技は、世界が注目する岡選手の持ち味です。この平行棒では種目別の金メダルも目指しています。

この日の最後には、団体決勝の最終種目・鉄棒を想定した演技を披露。岡選手は、橋本大輝選手の前、最後から2番目の大役を務める予定です。

(岡選手)
「団体で金メダルを取るためにみんなを勢いつけられるような演技をしたいと思っています」

アテネ五輪メダリスト・米田功さんも期待「彼は日本の宝」

岡選手が高校一年生の時から指導する、徳洲会体操クラブの監督で、アテネ五輪金メダリストの米田功さんも期待を寄せます。

(米田監督)
「日本の宝であることは間違いないと思っています。あとはそれがしっかり日本の武器になって活躍する一人の選手として、団体だけじゃなく個人での活躍もたくさんして、体操日本をしっかり見せられる戦いになって欲しいなと思います」

岡選手は、4歳で体操を始めると、中学校を卒業する15歳まで岡山の地で体操を学びました。

(岡選手)
「基本だったり柔軟っていうところをすごい徹底して教えてくれる先生だったんで、本当にきついトレーニングもたくさんありましたし、それを乗り越えて、自分は成長というか強くなって来てるんで、本当に全部やってきて良かったなって思います」

岡選手が小学校2年生から中学校卒業まで通っていた「おかやまジュニア体操スクール」です。

(三宅代表)
「当時慎之助がここで練習していた時は135の跳馬なんですけど、これより低かったんですよ。ひなたは何センチ?(ひなた君)138センチです。慎之助はこれくらいだったか。134.6だから。これで中3の時までこの高さの跳馬を飛んでました」

恩師でスクール代表の三宅さんが当時の岡選手について語ってくれました。

(三宅代表)
「本当に真面目でコツコツ系で、言ったことは必ず自分のためだと思って実践するというのが慎之助です。慎之助の思いが、ただ五輪に出るという思いが、私はしらなかったけど、慎之助は強かった」

真面目で素直な性格。強さのルーツは、五輪への強い思いを抱いた少年時代にありました。そしていよいよ来月、かつて夢見た舞台が開幕します。

今の岡選手にとって、五輪とは?

(岡選手)
「小さいときは、夢だった舞台ですけど、今は本当に目標としている舞台です」

岡山から世界へ羽ばたく岡選手、目標は金メダルです。

「自分が金メダルを取ってみんなが喜べるような演技をまずはして、恩返しをしたいというか、結果でしっかり恩返しをして、見てるみんなが勇気だったり元気が出るような、そんな演技をしたいと思っています」

ー地元岡山は岡選手にとってどんな街ですか?

(岡選手)
「大好きです」

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