バスガイドからタクシードライバーへ転身…北陸新幹線延伸で福井市の女性が一念発起 経験生かし観光ガイドも

バスガイドからタクシー運転手に転身した加藤さん=福井県福井市の福井駅

 運転手不足のタクシー業界で、バスガイドから転身した福井県福井市の女性ドライバーが奮闘している。永平寺観光(本社同県永平寺町)の加藤晴美さん(52)は、北陸新幹線県内延伸を契機に2次交通の一端を担おうと一念発起。車内マイクをハンドルに持ち替え、行き先の観光地も案内するなど乗客に喜ばれている。

 加藤さんは高校卒業後、福井鉄道(本社同県越前市)などで通算30年、バスガイドを務めた。昨年、北陸新幹線県内開業に向けた機運が高まる中、タクシー運転手が不足している状況を知り、「100年に1度のチャンスに何か力になりたい」と新天地で挑戦する決意を固めた。県などが開いた業界説明会などにも参加し、今年1月、永平寺観光に入社した。

 長年添乗してきたバスの運転手不足も深刻だが、「バスは車体が大きく運転は難しい。タクシーなら自分でもできるし、乗客との距離が近くバスガイドで培った知識や経験を生かせる」と考えた。入社後に2種免許を取得し、福井市や永平寺町を中心に2月末から乗客を乗せて営業している。

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