ドンチッチのディフェンス面の評価は?「ルカの守備はマヌケ」「今までで最もハイレベル」と選手・OB間で意見が真っ二つに<DUNKSHOOT>

ダラス・マーベリックスのルカ・ドンチッチは今季、キャリア6年目にして自身初のNBAファイナルに進出したが、王者となったボストン・セルティックスの前にシリーズ1勝4敗で敗れ、涙を呑んだ。ギルバート・アリナス(元ワシントン・ウィザーズほか)は、ドンチッチの守備の欠点について厳しく指摘している。

現在25歳のドンチッチは、2018年のドラフト全体3位指名でマブズ入り。これまでの6年間でレギュラーシーズン通算400試合に出場し、2022-23シーズンには自身初となる平均30点をクリアすると、今季は70試合に出場して平均33.9点、9.2リバウンド、9.8アシストで自身初の得点王、シーズンMVP投票でも3位に入った。直近5シーズンはオールスター出場、オールNBA1stチーム選出とスター街道を突き進んでいる。
今プレーオフでは、1回戦でロサンゼルス・クリッパーズ(4勝2敗)、カンファレンス準決勝でオクラホマシティ・サンダー(4勝2敗)、カンファレンス決勝でミネソタ・ティンバーウルブズ(4勝1敗)を破ってNBAファイナルに進出。しかし、名門セルティックスに3連敗と崖っぷちに立たされると、第4戦こそ122-84で勝利してスウィープ負けこそ回避したが、続く第5戦で88-106と屈し、2010-11シーズン以来のリーグ優勝は逃した。

ドンチッチは今ファイナルで全5試合にスタメンとして名を連ね、平均38.8分のプレータイムで平均29.2点、8.8リバウンド、5.6アシスト、フィールドゴール成功率47.2%、3ポイント成功率24.4%をマーク。しかし、第3戦ではファウル6つを犯して第4クォーター途中に退場してしまった。

元NBA選手のケニョン・マーティン(元デンバー・ナゲッツほか)はアリナスのポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、ドンチッチは「ディフェンスができない」としたうえで、第4クォーターにドンチッチがセルティックスのポイントゲッターの1人であるジェイレン・ブラウン(シリーズ平均20.8点でファイナルMVP受賞)のマークについたことは「愚か」だったと指摘した。
ドンチッチは第3戦でファウルアウトとなった第4クォーター残り4分12秒、ブラウンのドライブを止めようとしたが、ドンチッチのファウルと判定。正面に入って正対していたわけではないが、マブズはチャレンジ。しかし、判定は覆らず、ドンチッチは退場となった。ドンチッチは第4クォーター4分38秒にもポスト付近でブラウンとマッチアップし、際どい判定でファウルを取られていた。

アリナスは、「ルカの守備はマヌケだ。誰かがドライブしようとするたびに、同じことをしている。もし彼が賢かったら、自分の仕事の大半はボールを持たれる前に果たさないといけないとわかっているはずだ」と言及。相手の前に立ち、コートに倒されるのを待つだけとして「まるで『2K』(ゲームの『NBA 2K24』)のディフェンスだ。昔の2Kを覚えているかい?チャージングを取ろうとする人がいたよね。走り込み、そして倒れる。それが彼(ドンチッチ)のやっていることだ」と糾弾した。
一方、現役選手のドレイモンド・グリーン(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は自身のポッドキャスト番組『The Draymond Green Show』で、「ルカへの批判は正直的外れだ。彼はこれまでと変わらないディフェンスとしている。むしろ、今回のプレーオフでは、今まで見た中で最も高いレベルでディフェンスしていた」と、語っている。

ドンチッチの守備に関してはこれまでも議論されてきたが、セルティックスに力の差を見せつけられたことで、様々な意見が上がっている。

構成●ダンクシュート編集部

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