角田裕毅、スペインGPは「タフなレース」の末に今季最低の19位フィニッシュ…専門メディアは「期待からはるかにかけ離れた順位」

F1第10戦のスペイン・グランプリは6月23日に決勝が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は今季最低の19位でフィニッシュしている。

大幅なアップデートの導入で「VCARB01」の性能がどれだけ向上するか注目されたが、初日から角田はチームメイトのダニエル・リカルドとともにペース不足に苦しみ、予選は17番手でQ1敗退。ポイント獲得は難しいとの大方の見方の中で臨んだ決勝では、案の定苦しいレース展開で終始下位での走行を余儀なくされた。

ピットレーンでのスピード違反で5秒加算ペナルティーを科せられたりもした厳しいレースを終え、角田はチームの公式サイト等を通して、「タフなレースで、苦労しました。車を操るのは明らかに簡単ではなく、普段のように快適さを感じられませんでした。何かが上手くいかなかったので、その原因を理解し、(次戦の)オーストリアでは強さを取り戻すため、今回起こったこと全てを分析します」とのコメントを発している。
RBも「タフな週末」とSNSに投稿して失意を表わし、テクニカルディレクターのジョディ・エッギントンは「ユウキは車のバランスに満足しておらず、ツールやフラップ調整を通じて一生懸命に改善を試みたものの、依然として難しい状況だった」と角田のレースに言及し、「期待に反してバルセロナでこれまでよりパフォーマンスが低下した原因を理解するため、多くの分析を完了させる必要がある」と語った。

対してチーム代表のローラン・メキーズは、「我々にとって良くない週末だったことは否定できない。競争力がなかったことに対して言い訳はしない」とネガティブに振り返ったが、一方で「ポジティブな面では、両ドライバーが多くのテストを行ない、可能な限り多くのデータを収集できた。今、我々はレッドブル・リンクに向かうまでのわずかな日数で進化を図るという厳しい試練に直面している」とも指摘している。 とはいえ各国専門メディアの反応は、当然と言うべきか、ネガティブなものが多く、ブラジルのF1専門サイト『F1MANIA』は「バルセロナでのRBの失望」と題した記事で、「このチームは、スペインGPではるかに良い結果を期待していたものの、良いパフォーマンスを発揮できずに終わった」と綴った。

続いて英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、「アップグレードされたVCARB01を駆るRBにとっては厳しい週末となった。角田は最後尾を走行中にピットレーンでスピード違反を犯して5秒のペナルティーを受けたことで、状況はさらに悪化することとなった」と伝えている。
同じく英国のメディアでは、モータースポーツ専門サイト『THE RACE』がこの週末でも「勝者と敗者」を選定しており、2台が入賞を果たしたアルピーヌの「不発のライバルたち」の1チームとしてRBを「敗者」に挙げており、以下のように寸評を記した。

「RBにとってシーズン最悪の日曜日、リカルドが15位に浮上したことを除けば、ほとんど話題になることはなかった。アップデート導入で期待と自信に満ち溢れていたにもかかわらず、競争力を欠いたことが大きな懸念材料となっている。角田は最終的に19位と、期待からはるかにかけ離れた位置でフィニッシュし、苦しむローガン・サージェント(ウィリアムズ)の前に立っただけだった」

構成●THE DIGEST編集部

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