震災と認知症の関係は…金沢大学の調査はじまる

金沢大学の認知症研究チームが、石川県七尾市で、65歳以上の住民を対象に調査を始めました。長年この地域で取り組む調査では、今年から新たに能登半島地震が及ぼす認知機能への影響も調べています。

金沢大学では、認知症の早期発見のほか、治療法や予防法につなげるため、七尾市中島町の65歳以上の住民を対象に、2006年から定点調査を続けています。

6月22日から始まった調査では、およそ80人の住民が血液検査や握力測定といった検査のほか、体力測定や簡単な認知機能検査を受けました。

握力測定「11.6。よく頑張りました」参加者「ほんとやわいね」

また、個別の問診では、地震の被災状況や生活環境の変化などについて聞き取りも行われました。研究チームでは今回、能登半島地震が高齢者の認知機能に及ぼした影響について調べることにしていて、特に震災後の生活環境や地域コミュニティの変化に注目しています。

金沢大学神経内科学 小野賢二郎教授「日頃できていた社会的な交流の場が減ってきた。そういう側面からの負荷やストレスもかかってくるという中で、やはり認知機能、あるいは身体機能、そういったところに影響を及ぼしてくる可能性もあるのではないか」

金沢大学神経内科学 篠原もえ子准教授「私たちは健康の面でサポートしたいと思う」

住民への調査は3年かけて行われる予定で、小野教授は、被災した高齢者の認知症予防について、「脳を活性化させるためにも、少しでも前向きになることが大切」と話していました。

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