スペーシアX1周年記念の鹿沼産日本酒 東武鉄道と小林醸造コラボ、車内で発売

スペーシアXからのぞく男体山をイメージしたラベル(東武鉄道提供)

 【鹿沼】東武鉄道と小林醸造(上粕尾)は、7月15日のスペーシアX(エックス)の運行1周年を記念して市内産の日本酒を造り、同13日に車内で発売する。上粕尾小跡地で間もなく開業予定の「前日光醸造所」で醸造。市内産の酒米と、草久(くさぎゅう)の古峯神社の御神水を使い、乗客へ「鹿沼」をアピールする。

 地域貢献を考えている小林醸造の初の取り組み。沿線の地域振興に力を入れる東武鉄道が声をかけて実現に至った。同醸造の小林一三(こばやしいちぞう)社長(49)は「世界へ鹿沼をアピールするきっかけになれば」と意気込みを語る。

 古峯神社の異例の協力もあり、5月中旬に境内でお水取りの儀式を行い、手水舎から御神水をくんだ。酒米は市内産の「雄町(おまち)」を使用。小林社長は「フルーティーな香り、フレッシュな甘みを楽しめる。乗客に必ず鹿沼に興味を持ってもらえる逸品だ」と胸を張る。

 商品名は「車窓(しゃそう)」。ラベルには鹿沼組子をモチーフにした車窓からのぞく男体山を描いた。1本180ミリリットルで980円。千本を製造し、売り切れ次第終了となる。スペーシアX車内のカフェで販売する。東武鉄道の担当者は「飲む以外にも写真撮影などさまざまな楽しみ方をしてほしい」と話している。

 小林醸造は「鹿沼娘」を販売する「小林酒店」(千渡)の子会社。市公共施設等民間提案制度で、2017年3月に廃校となった同校跡地を賃借し、体育館を醸造所として活用する。7月4日に完成する予定。市内では唯一の酒蔵で、オーダーメード、体験型の酒造に力を入れる。

 スペーシアXは23年7月15日に運行を始め、東武新鹿沼駅にも停車する。

© 株式会社下野新聞社