【50代の人生相談】義母がくれる不要なもので家の中がいっぱいに! 吉永みち子さんがアドバイス

義理の親とのつき合い方には、何かと悩みがつきものです。心の中のわだかまりを解消して、毎日明るく過ごすためのアドバイスを、人生の達人・吉永みち子さんからいただきました。

回答者
吉永みち子さん ●作家

よしなが・みちこ●1950年、埼玉県生まれ。東京外国語大学卒業。競馬専門紙や夕刊紙の記者を経て作家に。85年『気がつけば騎手の女房』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。現在は著作活動の他、テレビのコメンテーターとしても活躍中。幅広いジャンルを取材し、著書に『老いの世も目線を変えれば面白い』など多数。

人間関係のモヤモヤは自分の行動や考え方から変えてみましょう

昔のCMで「亭主元気で留守がいい」というコピーがありましたが、そういう関係性の夫婦は、コロナ禍で在宅期間が長くなるにつれ、苦しみが増えたようです。

マチュア世代はコロナ禍に、夫や自分の定年退職が重なった人もいます。

家にこもる時間が長くなればなるほど、今まで目をそらしていた夫婦関係や家の問題が浮き彫りになりがちです。

モヤモヤを解消したいと思うなら、夫や姑や子どもなど他者を変えようとするのではなく、まず自分を変えてみましょう。といっても性格を変えるわけではありません。習慣になっている行動や言い方を変えるのです。いつもと違うリアクションをする中で関係性は必ず変わります。ぜひトライしてみて!

【相談】義母から受け取る家具や物品で家の中があふれています。どうやって断ったらいい?

別居している義母の、もう必要がなくなった家具や物品がわが家にあふれています。夫の手前、処分するわけにもいきません。それに義母が「あのときあげた〇〇を、やはり返して」と言ってきたりするので、保管するのも大変な思いでいます。
最近は亡くなった義父の遺品を、遊びに行った孫たちに持たせてくるため、義父母のもので部屋がいっぱいに。悲しませたくはないのですが、どう断ったら、角が立たないのでしょう。
(HAさん・56歳・神奈川県)

【吉永さんのアドバイス】「もったいない」世代の便利な最終処分場かも。あの手この手を使って引き取らない作戦実施!

恥ずかしながら、私にはお姑さんの気持ちがよくわかります。私も捨てられないんです。罪悪感が強すぎて……。終活に向けてものを減らし、すっきり暮らすことが大事だということは十分わかっているんです。でも、まだ使えると思うと捨てられない。

「高いもの買ったくせに、何で使わないのよ」と自分を責めつつ、娘に「もらってくれない?」と送りつけてしまいます。目の前から消えてくれるうえ、「娘が使ってくれれば、使ったお金も無駄ではない」と罪悪感も薄れます。自分勝手ですよね、ごめんなさい。

お姑さんもきっと同じ気持ちでしょう。しかも、相談文に「悲しませたくはない」と書くほど優しいお嫁さんがいるのですから、最終処分場として理想的です。

ものがあふれている室内を姑に見てもらおう

でも、あなたはこれ以上の受け入れを拒否したいと思っているわけですよね。当然です。

まずは夫と話し合いましょう。この家は姑の家ではなく、夫とあなたの家なのですから。

「これ以上ものが増えたら、私たちの生活スペースがなくなって暮らしにくくなる」という共通認識をもち、「もう実家のものはもらわないでほしい」「今あるものも、少しは処分したい」と正直に伝えましょう。お姑さんだって、嫁に言われるより息子に言われるほうが傷つきません。夫に矢面に立ってもらうのが一番です。

といっても、夫が何もしてくれない可能性もありますよね。その場合は、お姑さんに直接交渉するしかありません。口で言うより、もので埋まっている室内を見てもらうほうが効果的です。

そのうえで「私の友人が欲しいって言っているんですが、あげてもいいですか?」と聞いてみましょう。もらったものの所有権をはっきりさせ、処分する権利がこちらにあることを確認するのです。ダメだと言うのであれば、「もう置き場所がないので、荷物を預かってもらおうと思うんです」と、トランクルームの案内を見せるのもひとつの方法です。

ブランド品など値がつきそうなものは、「ネットのフリマで売ってみませんか?」と提案するのもおすすめ。こういうことは若者世代が得意ですから、孫に提案してもらうといいですね。捨てるよりはずっと罪悪感は少なくてすむし、少額でも収入になればうれしいものです。

※この記事は「ゆうゆう」2022年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

※2023年6月17日に配信した記事を再編集しています。


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