ふるさと納税5.8倍 奥能登4市町、地震後に急伸 23年度43億円

  ●激励メッセージも

 奥能登4市町に寄せられた2023年度のふるさと納税が合計で43億1830万円に上り、22年度比5.8倍と大幅に増加したことが27日、北國新聞社のまとめで分かった。能登半島地震の震源地である珠洲市が14倍と急伸したほか、地震が起きた今年1月から3月までが全体の84%を占めた。4市町は、受け付け業務を他自治体に代行してもらう代理寄付制度を活用。「一日も早い復興を願っています」などの激励メッセージも寄せられている。

 奥能登4市町の23年度のふるさと納税額をみると、輪島市が21億435万円で最も多く、珠洲市が14億9681万円、能登町が5億2910万円、穴水町が1億8804万円だった。4市町とも過去最高額で、22年度との比較では珠洲14倍、輪島が5倍、能登、穴水がいずれも3倍となった。

 4市町のふるさと納税額は、23年4~12月が6億9716万円だったのに対し、今年1月~3月が36億2114万円と、元日の地震発生を機に急増。珠洲は23年5月の地震でも大きな被害があり、1年間を通じて大幅な増加となった。

 件数は輪島の14万267件が最多で、珠洲10万1666件、能登5万4882件、穴水2万1842件と続いた。22年度との比較では、珠洲が23倍となった。

 輪島市の担当者は「代理寄付制度が、ふるさと納税の金額増につながった要因の一つ」と指摘。被災自治体の事務負担を減らすため、領収書発行などを別の代理自治体が担う制度で、1月以降は、全国の延べ132自治体が協力した。代理寄付を担う自治体が増えたことで、多くの人にアピールできたという。

 珠洲市によると、寄付者からは「大好きな珠洲が早く元に戻りますように」などのメッセージが届いており、市外の人が市役所の窓口を訪れて申し込んだケースもあった。

 ふるさと納税を受け付けるサイト「ふるさとチョイス」の運営会社によると、能登半島地震の被災自治体支援として、返礼品なしで集まった寄付の総額が26日時点で20億円を超えた。7月1日からは、特集ページで、北陸に向けた代理自治体と寄付者からの応援コメントを公開する。

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