宇都宮にフリースクール 不登校経験者らが学習支援 市内NPO法人が7月にも開校へ

フリースクール開校に向け、準備を進める三上さん(左端)ら学生スタッフ=6月中旬、宇都宮市峰1丁目

 無料の学習支援教室などを展開する宇都宮市のNPO法人「栃木県こども応援なないろ」は7月にも、同市峰1丁目に不登校の小中学生を受け入れるフリースクールを開校する。中心スタッフを担うのは不登校の経験者。宇都宮市、私立大1年三上響生(みかみひびき)さん(18)は「気持ちに寄り添い、自信を取り戻せる場所にしたい」と話す。大学生らが学習を支援し、それぞれのタイミングで学校復帰を目指す子どもたちをサポートする。

 名称は「なないろフリースクール」。峰第二自治会けいほう集会所で、毎週木曜の午前8時~午後3時に開く。大学生と大人の数人が常駐し、個別の学習支援を行う。イラスト作成や英会話、読書会など学生の特技を生かしたワークショップも予定。開校に当たり、市民団体の新規事業などを支援する「中央ろうきん助成制度」に採択された。

 三上さんは中学1年の秋、友人関係などに悩み、学校から足が遠のいた。「学校に行っていない間、いろんなことを諦めかけた」。そんな時、通い始めた宇都宮市の適応支援教室で、職員やボランティアから温かな言葉を掛けられ、勇気をもらったという。

 「しんどい時があったから今は元気でいられる。今度は自分が『近所のお姉さん』のような存在になって、子どもたちを支えたい」と意気込む。

 三上さんの他にも、不登校を経験した高校生もスタッフとして携わる。

 同法人の皆川純子(みなかわじゅんこ)理事長(45)は、不登校の子を持つ保護者から「子どもに付き添うために仕事を休まなければならず、収入が安定しない」などと悩む声を聞き、フリースクールの開校を決めた。「学校と連携し、子どもたちが自分のタイミングで無理なく学校復帰を目指せるようサポートしたい」と語った。月謝は1万5千円(入会金・年会費なし)。

 (問)同法人事務局080.5453.7933。

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