
全ての国・地域に核兵器禁止条約の批准などを求めた「ヒバクシャ国際署名」活動に長崎県で取り組んできた県民の会は9日、2016年9月の活動開始以来、被爆75年の節目に合わせて長崎県で目標に掲げてきた50万筆を達成したと発表した。長崎市内で会見した同会の田中重光共同代表(長崎原爆被災者協議会会長)は「署名を集めた人にお礼を言いたい。被爆県として先頭に立ち、目標をやり遂げたことを誇りに思う」と述べた。
県民の会によると、同日現在、50万3626筆が集まった。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が全国の署名と集約し、10月ごろ国連に提出する予定。
核兵器廃絶を訴える同署名は16年4月、被団協の呼び掛けで始まり、17年7月に核禁条約が国連で採択されてからは同条約の批准も求めてきた。長崎県でも被爆者らでつくる県民の会が発足。国連の核兵器廃絶国際デーに合わせ、毎月26日などに同市中心部のアーケードなどで取り組んできた街頭活動は50回を超えた。非政府組織(NGO)など約160団体の協力も得て、今月18日に迫っていた最終締め切り前に目標達成にこぎ着けた。
核禁条約は9日現在、44カ国・地域が批准。発効に必要な50まであと6カ国・地域に迫っている。