長崎市が「動物愛護条例」制定へ 野良猫の餌やりなど規制

 長崎市は11日、ペットを持つ飼い主のマナーや野良猫への餌やりの規制を定める動物愛護条例を、2021年度末までに制定する方針を明らかにした。動物とのふれあいを通して、児童生徒が命の大切さを学ぶことができる動物愛護施設の整備も視野に、検討を進める。市によると動物愛護に関する条例案が可決されれば、県内初となる見込み。
 市議会一般質問で、行政の動物愛護への取り組みをただした永尾春文議員(公明)への答弁。
 市によると、長崎は港町で斜面地に空き家が多く、猫が成育しやすい環境。全国的にも猫の生息数が多いという。市には、市民から「野良猫が庭にふん尿をした」「車を傷つけられた」などの苦情が、昨年度約500件寄せられていた。
 市は今後、県獣医師会長崎支部や市内の動物愛護ボランティアの関係者らの意見を基に検討を進める。条例の素案などを市民に公開し、市民の意見を条例案に反映する予定。
 田邊洋市民健康部長は「人と動物の共生社会の実現に役立つように、制定の準備を進めたい」と話した。

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