世界に平和教育推進を 国際青年フォーラム 長崎市がオンライン開催

国内外の学生らが「継承」についてオンラインで意見交換した国際青年平和フォーラム=長崎市平野町、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎市は28日、国内外の若者が平和の継承、発信について意見交換する「国際青年平和フォーラム」をオンラインで開いた。参加者は、世界の非政府組織(NGO)が連携し平和教育を世界に広げることや、核廃絶に向け会員制交流サイト(SNS)を生かした情報発信強化が必要と訴えた。
 本年度の被爆75年事業の一環。長崎大核兵器廃絶研究センターや国際基督教大などが協力し、大学生や留学生ら30人が参加した。
 米軍縮教育家で「長崎平和特派員」のキャサリン・サリバンさんが基調講演。好きな人や物を想像するよう呼び掛け「それらが今この瞬間にも核の脅威にさらされている」として、核問題を自分事と捉えるよう訴えた。核兵器が禁止条約で非合法化されたとして「核廃絶は可能だ」と語った。
 参加者は3グループに分かれ、平和推進の方法を議論した。被爆地長崎の役割として被爆者の証言をオンラインで世界に広げることや、原爆だけでなく多角的な平和問題の発信を求める意見が出た。「今回を機に新たにグループをつくれないか」との声もあった。出た意見の数々は後日、提言書として田上富久長崎市長に提出する。

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