フィジーから東京五輪中止を唱える声「華やかさへの思いが菅首相の思考と判断を曇らせている」

米科学誌「サイエンス」も東京五輪開催を疑問視

海の向こうの島国でも東京五輪中止を唱える声が上がった。

フィジー国立大学で気象学の准教授を務めるスシル・K・シャルマ博士がフィジー・タイムズ紙に長文の論説を寄稿。「日本はオリンピックをキャンセルする必要がある」と強く訴えた。

日本政府が妄信的に五輪開催に向かっていることに対し「この国はゲームから得られる可能性のあるスポットライトに目がくらんでいるようだ。世界の多くの地域で深刻な恐ろしい光景が繰り広げられていることを考えると、不確かな言葉ではなく、世界の国々が計画通りに集まらないことを発表する必要がある」と主張する。

また日本でワクチンが接種されたのは1~2・6%(100人に1~3人)であると報告されていることについて「衝撃的で、恐ろしい啓示。日本にとって、まったくスキャンダラスな状況」とし、いまだ遅々として進まないワクチン接種状況に驚きのコメントを寄せた。

さらに五輪中止を求めるオンライン署名が、これまでに30万を大きく超えていることを紹介。最後は「世界的に見ても、自分の国で起きていることでさえも目をつむっているように見えるが、私は『世界の国々を驚かせ、立ち止まらせるゲーム』であるオリンピックという偉大なゲームの華やかさへの思いが、日本の菅首相の思考と判断を曇らせ続けていると思う」と結んだ。

世界各地から集まる五輪中止論は、まだまだやみそうにない。

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