「聖書を読む会」を開く 元鎮西学院長・森泰一郎さん「心のよりどころに」

「一人の信徒の立場で聖書に親しむ活動を始めたい」と語る森さん=諫早市、「カフェ トランキラ」

 元鎮西学院学院長の森泰一郎さん(76)=諫早市=が今春、キリスト教を学んでいた関西学院大大学院を修了し、地元諫早で新たな一歩を踏み出そうとしている。教会に所属せずに、来月から「聖書を読む会」を開く準備を進めている。森さんは「一人で悩みを抱える人たちの心のよりどころになりたい」と話す。
 森さんは中高を鎮西学院で過ごし、東京の大学院修了後、鎮西学院が運営する短大(現在の鎮西学院大)で教壇に立った。地域経済学を専門とし、学長を経て2015年から学院長を務めた。
 学生時代にあこがれていたプロテスタントの牧師を目指し18年4月、関西学院大大学院神学研究科に入学。3年間の大学院生活では、鎮西学院などの学校が担ってきた神学の歴史などを研究し、論文にまとめた。
 今春、大学院を修了し、県内の教会で牧師として活動する道も検討したが、聖書が説く考え方を在野で伝える方針に転換。「(牧師の)権威を持って教えるというより、一人の信徒の立場で、市民とともに聖書を勉強することが私らしい生き方ではないか、と思い直した」と理由を語る。
 諫早での拠点は、親族が運営する川内町の「カフェ トランキラ」。新型コロナウイルス感染の状況を見ながら、定期的な勉強会を開く。森さんは「聖書だけでなく、仏典も読んでみたい。神学の歴史など学んできたことを新しい視点で市民に紹介したい」と話している。

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