「まだ20代前半…」パも交流戦で驚嘆 巨人の4番・岡本和真が備える “見られる” 能力

すでに風格たっぷりの巨人・岡本和

若くして主砲の資質を備えているようだ。巨人の不動の4番打者・岡本和真内野手(24)は7日現在、48打点でリーグトップを独走中。加えて交流戦では打撃内容ばかりでなく「4番の風格」にも注目が集まっている。2年ぶりの対戦となったパ・リーグ球団の関係者が目を見張った岡本和の能力とは――。

若き主砲の成長が止まらない。2018年6月2日のオリックス戦(京セラ)で初めて4番に座り、第1打席で山岡から「4番1号」を放ってから丸3年。岡本和は今月1日の西武戦(東京ドーム)で今季15号を放ち、先発4番打者としての通算100本塁打を記録した。巨人では長嶋茂雄が記録した27歳1か月を抜いて最年少での達成だった。

既に球界トップクラスのパワーと技術を持ち合わせていることは周知の事実だが、岡本和の別の一面を高く評価する声もある。「彼はまだ20代前半ですよね。それで重圧に耐えながら結果を残していることはもちろんですが、何より打席での立ち振る舞いが素晴らしいんですよ」とは、あるパ・リーグ球団の関係者。続けて「4番だからって毎回打てるわけじゃないし、好機で凡退することもある。そういう時はどうしてもカリカリしてしまうものですが、彼はそういった感情を表に出さない。常にどっしりしていて、若いのに大したもの」と岡本和の自己統制力を高く評価する。

その言葉通り、6日までの日本ハム3連戦では3試合連続無安打に終わったが、決して荒れた様子を見せることなく前を向き続けた。

くしくも今季は「4番の立ち振る舞い」が話題になった。日本ハムの主砲・中田が4月7日の試合で三振を喫した悔しさからベンチでバットを叩き割り、その後にベンチ裏で転倒。翌日には右目付近を紫色に大きく腫らしてグラウンドに現われ現場を騒然とさせた。5月17日に出場選手登録を抹消されるまで思うような結果が残せず、グラウンドでイラ立つ場面も目立っていた。

かつては西武時代の清原が死球を受けた際、相手投手にバットを投げつけたように感情をむき出しにする選手もいたが、度が過ぎるとナインの士気に悪影響を及ぼしかねない。打線の軸である4番には自らの精神状態を制御することが求められており、別のパ球団関係者は「打席での立ち振る舞いは相手チームだけでなくファンも見ている。性格は個人差もあるが、岡本ぐらい自律できているのは理想」と感心している。

もともと荒れた様子を見せない選手だが、既にベテランさながらの落ち着きを見せている〝令和の若大将〟。これからも巨人の4番として、その座を守り続ける。

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