「侍」招聘確実! 巨人救援陣の大黒柱・中川は“無休シーズン”を完走できるか?

無休シーズンとなる可能性も

巨人のセットアッパー中川皓太投手(27)が「無休シーズン」となるかもしれない。巨人は10日のオリックス戦(京セラ)に0―6で敗れ、引き分けを挟んで今季最悪の4連敗となった。吉川尚輝内野手(26)が死球を受け、左手中指を骨折とチームの苦境は続くが、巨人救援陣の大黒柱にはノンストップでのシーズン完走が期待されている。

巨人が投打で精彩を欠いた。今季6勝のチーム勝ち頭・高橋が初回に3点を失うなど7回6失点。打線は相手先発の山崎福に6回無得点に抑えられ、零封負けを喫した。

初回には好調の吉川が死球を受け「左手中指末節骨骨折」のアクシデント。4連敗で首位・阪神とは今季最大の6ゲーム差に広げられた。原監督は「(吉川は)残念ではあるけどね。受け止めないとね。わざとじゃないしね」と前を向いた。

もちろん立ち止まってはいられない。11日のロッテ戦(ZOZO)で右手親指骨折から坂本が復帰予定。G投立て直しのため手も打った。この日、SFジャイアンツ傘下3Aサクラメントを退団した山口との契約合意が正式発表された。

反攻態勢は徐々に整いつつあるが、虎追撃のカギを握るのはやはり勝利の方程式。特にセ・トップの又吉(中日)の31試合に次ぐ、30試合登板を誇る大黒柱・中川の踏ん張りもチーム成績に直結してくる。

この日は登板のなかった中川は現在、2戦連続失点中。原監督は8日に3失点を喫した左腕について「まあ疲れたという、このぐらいで疲れたと言ったらちょっとねえ。プロとしては。疲れてはいないと思いますよ」と話していた。

その一方でネット裏のライバル球団は中川の“異変”を感じていた。「昨年に比べたら、投球時の中川の左ヒジの位置が明らかに低くなっている。そのためスライダーが横には曲がるけど、縦方向にあまり落ちなくなり、空振りが少なくなっている」(セ球団スコアラー)

その左腕はさらに「侍ジャパン」からもフル回転を期待されている。プロ野球は7月19日~8月12日が東京五輪開催に伴う中断期間となり、首脳陣は後半戦への貴重なリフレッシュ期間として計算していた。

だが、2019年「プレミア12」優勝メンバーの中川は稲葉監督の評価が高く、近日中に発表される東京五輪メンバー入りが有力視されている。直前合宿に五輪本戦と金メダルのために腕を振り、そのまま休みなくシーズン後半戦、さらにはポストシーズンまで走り抜くことになる。

左腕は19年には自己最多の67試合に登板し日本シリーズ、さらに「プレミア12」まで“完走”。そんなタフネス左腕も昨季は左脇腹を痛め終盤に離脱を経験している。

今季はイニングまたぎがすでに2試合となっている。果たして休息なしで1年間、好パフォーマンスを維持できるのか。背番号41の状態がチームの浮沈に大きく影響しそうだ。

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