三条信用金庫(新潟県三条市)が2020年度の決算発表、3年ぶりに当期純利益が10億円に

三条信用金庫の星野光一常務理事

三条信用金庫は18日、第120期通常総代会を開き2020年度の決算を公表した。経常収益は前年同期比6億500万円増の68億円、本業のもうけを示すコア業務純益は同3億8,900万円増の27億700万円だった。経常利益は同4億6,700万円増の17億8,400万円、当期純利益は同3億200万円増の10億4,400万円と、3年ぶりに10億円を確保した。

貸出金利息の減少幅に歯止めがかかり、投資信託販売などの役務取引等収益が堅調に推移。新型コロナウイルス後を見据えて信用コストを積み増しながら取引先を支援する体制を整えた。有価証券の売却益をすることなく利益を確保し、同信金は「より筋肉質な経営を進めている」(星野光一常務理事)とした。

第120期通常総代会の様子

一方、2020年度末の預金残高は前年度比395億6,600万円増の4,519億6,400万円だった。法人預金は流動性預金が114億円、定期性預金が38億円増加した。個人預金は流動性預金が128億円、定期性預金が113億円増加した。貸出金残高は同146億7,800万円増の2,139億9,600万円となった。法人融資は一般法人を中心に77億円増え、個人融資は住宅融資と個人事業主向けで68億円増加した。

不良債権比率は前年同期比0.86%増の4.95%。新型コロナウイルス後の取引先の状況を見据えて引き当て方法を変更。コロナ対応の融資が2年後に返済が始まることを見据え、融資にも柔軟に応じるために予防的に引き当てた。不良債権の保全率は90%の高さを維持しながら、今後も支援する体制を整えている。

金融機関の経営の健全性を示す自己資本比率は14.02%。前年同期比で0.71%減少しているものの、国内基準の4%を大幅に上回っており健全性を維持している。

© にいがた経済新聞