大勝で連敗脱出のソフトバンク 超異例の“1時間コーチミーティング”がもたらした変化

先発した東浜をねぎらう工藤監督(右)

ソフトバンクが30日の西武戦(北九州)に9―1で大勝した。低調だった打線が先発全員安打の15安打9得点。6勝11敗6分けと苦しんだ6月だったが、最後にスカッとする勝利で連敗を止めた。

2番に柳田、5番に明石を配すなど首脳陣のオーダー変更策が奏功した。柳田が初回に先制打、明石は複数安打をマークしてつなぎ役として存在感を発揮。2安打の三森がチャンスメーク、谷川原が貴重な2点打と若鷹も躍動した。松田、栗原、甲斐にも効果的な一発が生まれ、打撃で試行錯誤が続く今宮も適時打を含む2安打を放った。

苦境を打破すべく動き出した鷹に結果がついてきた。4連敗を喫して貯金がなくなった28日の西武戦(京セラ)後に、首脳陣は球場に残って1時間に及ぶミーティングを行った。

「まずは自分たちが事を起こさないといけない。アドバイスの仕方、練習法、選手に意図をしっかりと伝えた上でやってもらうことが大事」と、工藤監督は緊急会議開催の理由を語っていた。

移動休日を挟んで迎えたこの日の試合前練習、目に見える形で変化があった。「今日は回し打ちという形でやりましたけど、やっぱりずっと打ってるんじゃなくて4、5本の中でしっかりと最初からタイミングを合わせて打っていくということが、今日の試合の中でも出せたんじゃないかなと見ています」。これまでは時間を区切って行ってきたフリー打撃。この日は4人1組で、1人が5球程度を打っては交代という流れを繰り返した。

指揮官は「まずはコーチが動いて選手に理解してもらうと。その中でしっかりと結果が出るように僕らがやっていかないといけない。こういう形で結果が出たというのはよかった」と満足げだった。

苦境打破にもがいた6月が終わった。自分たちで変化を生み出し、潮目が変わり始めた。反転攻勢の7月といきたいところだ。

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