子供の遊び相手から今後は食用・釣りエサに? アメリカザリガニが特定外来生物に指定へ

芸能人のイベントにも登場したザリガニ(写真は出川哲朗)

子供の遊び相手としておなじみのアメリカザリガニが特定外来生物に指定されるという。朝日新聞が報じた。

同紙によると、環境省は6日、専門家会合で、アメリカザリガニを外来生物法に基づく特定外来生物に指定し、野生で繁殖しないように規制する方向で提言をまとめた。早ければ2023年には、アメリカザリガニは自然界に放つことや、販売が禁止されることになりそうだ。特定外来生物に指定されると、もし捕まえたら、キャッチ・アンド・リリースするか、その場で殺すなどしなければならない。ペットとして飼うにしても国の許可が必要になるかもしれない。

昭和初期、ウシガエルのエサとして北米から輸入され、その後、日本中に広がった。ザリガニ釣りとして子供たちの遊び相手や、小学校の教室で飼育委員が世話をするなど、おなじみの存在だったが、規制されることになる。中華料理店主は「ザリガニは湧き水とか、きれいな水で育ったのならおいしい。中国で激辛ザリガニ炒めは高級料理ですよ」と語る。また、欧米でも普通に食用とされている。

日本ではザリガニ=どぶや下水といったイメージだが、確かにきれいな水にいるザリガニはゆでてむき身にしても、小さいものなら殻のまま唐揚げにしてもおいしい。湧き水が出ている東京・新宿区の某公園では、食べるためにザリガニを釣る人もいる。

また、海釣りマニアは「捕ったザリガニは大量にゆでて冷凍しときます。殻ごとではイシダイ、スズキ、タコ、コイ釣りのエサになるし、むき身ではキス、ハゼも釣れる。万能エサです」と言う。

特定外来生物に指定されれば、基本的に生きたままの移動ができない。環境省によると「釣った特定外来生物をその場で締めた上で、持ち帰って食べることは問題ありません」という。

規制後は遊び相手というよりも、食用や釣りエサとして需要がありそうだ。

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