ソフトバンクに五輪効果? “天与の1か月”で戦力上積みなるか

試合に敗れがっかりのソフトバンク首脳陣と工藤監督(中央奥)

なかなか波に乗れないソフトバンクが7日のロッテ戦(ZOZOマリン)に1―4で連敗して勝率5割に逆戻りした。現在、3位まで2ゲーム差の4位。首位・オリックスとは4・5ゲーム差だ。

五輪イヤーならではの〝天与の1か月〟を生かせるか。数字上はリーグ連覇へ黄信号とも言える状況だが、救いは7月15日~8月12日までペナントレースが止まることだ。「1か月は大きい。勢いのあるオリックスからしたら空けずにやりたいところだろうが、逆にうちからしたらガラリと変えるチャンスにもなる。故障者が戻ってくるのもそうだが、この時間を使ってどうチームを立て直せるか。整理する時間にもなるだろうしね」(球団フロント)。

戦力的に目に見える上積みもある。頼みのグラシアルと守護神・森は後半戦スタートに間に合うかは微妙とはいえ、試合が消化されずに復帰が近づく意味は大きい。前半戦中に復帰見込みのモイネロに加えて、不振に故障が重なったデスパイネ、周東らがスタンバイ態勢となる見込みだ。

さらには準備の鬼として知られる工藤監督の腕の見せどころでもある。6月28日の敗戦後には1時間にも及ぶコーチミーティングを開催。首脳陣が選手を導くべくアイデアを出していくように指令を出した。指揮官が得意とするデータの洗い直しを徹底的にできるのはもちろん、各首脳陣からしても休む暇もない逆襲への大事な時間となるのは間違いない。

前半戦は残り6試合。本拠地でオリックスと楽天と戦う。工藤監督は「勝率5割に戻りゼロからになる。しっかり勝ち越したい」。上位とのゲーム差を縮めて〝ロープブレーク〟を迎えられるか。

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