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長崎市が被爆の実相を伝えようと、1994年度から始めた県外原爆展が9日、富山、鳥取両県で始まり、被爆地の広島・長崎両県を除いた全国45都道府県で開催を達成した。今回を含め78都市で開き、これまでに26万人以上が来場した。
展示品は長崎原爆資料館所蔵で、2016年に身元が判明した「黒焦げの少年」など、被爆の実相を伝える写真パネル約40枚や、熱線で溶けたガラス瓶など被災資料約10点。新型コロナウイルスの影響で、被爆者の現地訪問が難しいため、証言を収録した映像も会場で流している。
若い世代に平和活動などに関心を持ってもらおうと、被爆遺構の案内などに取り組む「青少年ピースボランティア」の活動写真や、核兵器禁止条約発効までの経緯などを紹介するパネルも追加。名称を「県外原爆展」から「県外原爆・平和展」に変えた。
市被爆継承課の坂口真一課長は「戦争体験が異なる各地で被爆の実相を広められたのは意義深い。今後も実相を伝えていくように、開催地など広島市と検討を進める」と話した。
富山、鳥取両県での開催は被爆75年の昨年予定していたが、新型コロナの影響で延期していた。