〈じょうえつレポート〉思いは上越の活性化 ミーツフェス 〝巡り会う祭典〟盛況 コロナ禍で試行錯誤 初の試み6500人来場

 上越市戸野目古新田の謙信公武道館で6月19、20の両日開かれた「Meets Festival(ミーツフェスティバル)」。初の試みながら約150店舗が参加し、来場者は2日間で約6500人に上った。地元有志による実行委員会がスタートさせた〝巡り会う祭典〟が、これからも上越を盛り上げる。(山口達也記者)

 妙高市のハンドメード作家、渡邊あづささんを実行委員長に昨夏から本格的に準備を進めた。ミーツフェスの狙いは上越の地域活性化。渡邊さんは「ただイベントをやって終わりではなく、やったことで何かが得られるイベントにしたかった。スポンサーさま、出店者さま、お客さまがつながって、新しい何かが生まれる。そのきっかけになれば」と願う。

ミーツフェスティバルの手応えと課題、今後を語る実行委員長の渡邊さん

 イベントの趣旨と、地域にインパクトを与えたいという考えもあり、当初から大規模での実施を構想。会場は上越インターチェンジからのアクセスなど立地条件も踏まえ、謙信公武道館に決めた。

出店者の輪広がり150店舗

 参加店舗は県内から募集。インスタグラムを中心に呼び掛け、次第に「人が人を呼んで」(渡邊さん)出店者の輪が広がった。上越地域を中心に柏崎市、長岡市、三条市、新潟市、新発田市など県内各地から出店。ハンドメード、飲食、リラクセーション、ワークショップ、自然由来の商品の「アース&エコロジー」と多彩なジャンルのブースがそろった。

 コロナ禍での企画とあって、渡邊さんは「コロナとの闘いだった」と振り返る。当初は2月に実施予定だったが、感染状況を踏まえて延期。出店キャンセルもあった。出店者に対してはもとより、来場者に対しても感染症対策を徹底。マスク着用などの他、実施日2週間以内に県外に行った人の入場を断るなど制限を付けた。

 手探りで準備してきた初イベントなだけに、「どのくらいのお客さまに来ていただけるのか」と集客への不安は大きかったというが、ふたを開けてみれば開場時間から長蛇の列ができる盛況ぶり。完売、満員御礼のブースが続出し、「休憩する暇がないくらいだった」とうれしい悲鳴も上がったという。9~12歳の子どもたちが自作のアクセサリーなどを自ら販売する「キッズチャレンジ」も反響を呼んだ。

初の試みながら県内約150店舗が参加。幅広い世代の来場者でにぎわった(6月19日)

 渡邊さんは「いろいろなところでイベントが中止になったりしていたので、『このミーツフェスティバルに懸ける』という出店者さまもいらっしゃった。コロナ禍の中でやったことにも意味があったのでは」と話す。来場者からは「家族で楽しめた」「こういうのを求めていた」など好意的な感想が多く寄せられたという。

次回の実施 来年秋を予定

 第1回のミーツフェスを終え、渡邊さんは「何とか形にできた。第一歩を無事にできてほっとした」と率直な気持ちを吐露。「実行委員の中で、満足している人はいないと思う」と言い、来場者のスムーズな誘導など運営面での課題を口にする。

 次回は来年秋に実施予定。200店舗の参加を目標にする。年内にはミーツフェスの公式ホームページを開設し、情報発信していく考えだ。渡邊さんは「もっと地域の人たちに楽しんでいただき、地域の人たちに協力していただけるイベントにしていきたい」と今後を見据えている。

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