昨季の受賞者は3人、三塁は若手躍動&外野は顔ぶれ一新 パ前半戦の“GG賞”は?

オリックス・宗佑磨(左)と楽天・辰己涼介【写真:荒川祐史】

守備指標「UZR」で選出する前半戦のゴールデングラブ賞

東京五輪による中断期間を終え、プロ野球は13日からシーズン後半戦が始まる。両リーグの優勝争いとともに、佳境になるにつれて気になるのは各賞の行方。守備の名手に贈られる「三井ゴールデン・グラブ賞」は今季、誰の手に渡るのか――。後半戦を占う上でも、前半戦での各ポジションの“受賞者”をデータから選出してみたい。今回はパ・リーグ編。

用いたのは、守備全般での貢献を示す「UZR(Ultimate Zone Rating)」。リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだかを表す。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA()のデータを参照した。規定に到達した選手(投手は50回以上に設定)で、各ポジション1位と数値は以下の通り。

投手:石川柊太(ソフトバンク)1.0
捕手:甲斐拓也(ソフトバンク)4.7
一塁手:中村晃(ソフトバンク)6.5
二塁手:浅村栄斗(楽天)-0.4、中村奨吾(ロッテ)-0.4
三塁手:宗佑磨(オリックス)8.7
遊撃手:源田壮亮(西武)14.8
左翼手:荻野貴司(ロッテ)8.2
中堅手:辰己涼介(楽天)6.6
右翼手:愛斗(西武)9.5

最多は西武の3人、遊撃の源田は圧倒的な数値を叩き出す

やはり目を引くのは、遊撃で断トツの数値を叩き出している源田壮亮内野手。他のポジションと比べても圧倒的なのがよく分かる。3年連続で受賞している球界屈指のショートは、新型コロナウイルス感染による離脱もありながら、前半戦も抜群の守備力を披露した。

同じ内野では、三塁で期待の若手が入った。25歳の宗佑磨外野手は今季、身体能力と強肩を生かして三塁で度々ファインプレーを披露。数値にも反映され、楽天の茂木栄五郎内野手に僅差で勝った。一方で、二塁はトップの2選手でもマイナス指標となった。

球団別でみると、ソフトバンクが最多の3人。最下位の日本ハムからはいなかった。昨季の受賞者と同じ顔ぶれとなったのは、捕手、一塁、遊撃の3ポジション。外野は一新されている状況で、シーズン後半戦で大きな変動はあるか注目される。

【2位以下は?】データで選出した“前半戦GG賞”各ポジションのベスト3

【2位以下は?】データで選出した“前半戦GG賞”各ポジションのベスト3 signature

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。

© 株式会社Creative2