山本二三さんと長濱ねるさん対談 「五島百景」に思い出重ね

五島について思い出を語る山本さん(左)と長濱さん=長崎市茂里町、長崎ブリックホール

 長崎県五島市出身のアニメーション映画美術家、山本二三さんの作品群「五島百景」の完成記念イベント(長崎新聞社主催、松園尚己記念財団特別協賛)が13日、長崎市内であった。山本さんと、五島列島で幼少期を過ごしたタレントの長濱ねるさんが初対談。作品や島の魅力について語り合った。
 五島百景は山本さんがライフワークとして2010年ごろに制作を開始。五島列島の自然や暮らしの風景を収めた作品100点を約10年をかけて描き上げた。
 山本さんと長濱さんはそれぞれ思い入れの深い五島百景の作品6点について話した。長濱さんは新上五島町の中通島の風景を切り取った「奈良尾神社のアコウの樹」を取り上げ、「よく遊んだ思い出の場所。とても美しくて写真ではないかと思うくらい精巧だが、温かさもあるすてきな絵」と笑顔。山本さんは枝から無数に垂れ下がる気根の描写に根気がいったことを明かし、「どこを描いているか分からなくなるほどだったが、(地域で大切にされていると感じ)大事に手掛けた」と振り返った。
 古里五島について山本さんは「大自然の美しさに加え、歴史や人々の優しさも魅力。海外にもPRしたい」、長濱さんは「五島で過ごした記憶が今の自分を支えてくれている。盛り上がりに協力したい」と思いを語った。
 イベントでは山本さんがライブペインティングも披露。何色もの絵の具を塗り重ね、迫力ある「二三雲」が浮かぶ浜辺の風景を描いた。この作品は県美術館で開催中の「『五島百景』完成記念 山本二三展 the BEST」(長崎新聞社、県美術館主催、大誠ハウス特別協賛)で公開する。

© 株式会社長崎新聞社