長崎県全域に「緊急事態宣言」 感染ステージ5突入 時短要請2週間延長

県内新規感染者の年齢構成

 長崎県の中村法道知事は19日の臨時記者会見で、新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大しているとして、県内の感染状況を示す県独自のステージを最高の5に同日引き上げ、初めて県内全域に県独自の緊急事態宣言を発令すると発表した。期間は9月6日まで。また今月23日までとしていた飲食店などへの営業時間短縮要請も9月6日まで2週間延長。協力金は延長分も支給する。
 県内全域のステージ5は5月28日以来。まん延防止等重点措置の政府への適用要請について、知事は既に同様の対策を採っているとし、適用時の各方面への影響を考慮し慎重に対応する考えを示した。
 県によると、17日までの1週間の感染者は442人で、前週の約1.6倍に増加。感染経路は県外往来関連や飲食関連が7割弱を占める。今回の第5波では20代以下の感染者が全体の5割を超え、若年層で感染が広がっているのが特徴だ。
 知事は感染者急増の要因として「お盆に人の流れが大幅に拡大した」と述べた上で、不要不急の▽県外との往来▽外出▽家族以外との会食-を自粛するよう改めて要請。家庭内でも換気や会話時のマスク着用など感染対策を徹底するよう求めた。県有施設は原則、開館時間の短縮または休館する。県立学校の部活動は全国大会などへの参加や準備を除き当面中止する。
 県は感染拡大に対応するため、緊急時に最大490床確保している専用病床を532床に増やす。軽症者らを受け入れる宿泊療養施設は433室あり、うち長崎、佐世保両市の約200室を倍増させる。両市の同施設に臨時の診療所を設置し、健康観察体制を強化。重症化を防ぐ効果がある抗体カクテル療法を同施設で実施する準備を進めている。
 17日時点で、入院患者188人のうち重症者は1人にとどまり、他は中等症と軽症。また宿泊施設療養者は121人、自宅療養者は328人に上る。県は自宅療養をサポートする医療体制の充実も検討している。

県内全域に県独自の緊急事態宣言を発令すると発表した中村知事=県庁

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