文部科学大臣賞を受賞 写真館経営、浦上太郎さん(44)

文部科学大臣賞に輝いた浦上さんの作品「描く〔芸術家 岡本泰彰氏〕」

 第122回九州写真展覧会で、長崎市琴海村松町の写真館経営、浦上太郎さん(44)=同市西海町在住=の作品「描く[芸術家 岡本泰彰氏]」が、最高賞の文部科学大臣賞を受賞した。作品は西海市在住の現代美術家を撮ったモノクロ写真。20日、リモートで表彰式が行われた。
 同展覧会は写真館の経営者らでつくる九州写真師会連盟が主催し、「人物を主体とした自由作品」など3部門で実施。7回目の挑戦で全部門の最高賞を受賞した浦上さんは、「いつか取りたいと目指していた。信じられない」と喜びを語る。

賞状を手にした浦上さん=長崎市琴海村松町

 昨年10月、被写体の岡本さんが西海市で開いた個展会場で、舞台に立って「描く」姿を撮影。創作に取り組む真剣なまなざしが印象的だ。
 日ごろから「その場にある光を生かし、その人の良さを引き出したい」と考えている浦上さん。今回も「一生懸命キャンバスに向かう雰囲気を伝えたかった。背景がシンプルなのも良かった」と話す。
 写真館の「写真うらかみ」2代目として、20代前半から父について本格的に写真を始めた。傍ら、人物写真を深く学ぶため芸術家や職人らを被写体に、毎年作品を撮る。今後について「習得した技術や写真への向き合い方を、お客さまの撮影に生かしていきたい」と語った。

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