車いすバスケ 持ち味出し切った鳥海、川原 2人で「ナイス、ナガサキ!」

表彰式で祝福に応える、銀メダルを獲得した鳥海(左)と川原=有明アリーナ

 日本の銀メダルを告げるタイムアップのブザー。最後は王者米国に屈したが、チームは積み重ねてきたすべてを出し切った。抱き合って、健闘をたたえ合う選手たち。鳥海(パラ神奈川SC)と川原(千葉ホークス)の長崎市出身コンビも「ナイス、ナガサキ!」と言葉を交わして、笑顔で大会を締めた。
 11日間で計8試合。鳥海は1次リーグのスペイン戦を除いて、ほぼフル出場に近い起用に応えてきた。疲労はピークに達していたが、気力を振り絞り、米国に「日本のバスケ」をぶつけた。
 果敢にボールや相手に食らいつき、抜群の身体能力を生かして攻守の中心となった。計18本を記録したリバウンドから、片輪を上げてシュートを決めるなど、気迫のプレーでチームをけん引。最後まで「誇りを持って戦い抜いた」。
 川原も全試合でコートを駆け回った。毎回「使ってもらった場面で頑張ろう」と奮闘。スタメン出場したこの日も、序盤から「ディフェンスでチームのトーンをつくっていく」と積極的に体を張った。後半は勝負どころで鳥海からのパスを受けてシュートも決めた。
 鳥海は22歳、川原は24歳。これからは世界に追われる立場となった日本を担っていく覚悟はできている。「最後の勝負どころで決め切れるような、よりチームを引っ張っていく力強い姿を見せていけたら」(鳥海)、「日本はまだ伸びしろがあると世界に見せられた。強いディフェンスとベリーハードワークを自分たちが引き継いでいく」(川原)。2人はうれしく、悔しい胸の銀メダルに、さらなる飛躍を誓った。


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