「長崎ロープウェイ」延伸可否 長崎市、来年度めどに方向性

 定例長崎市議会は15日、一般質問を続行し2人が登壇。市は、稲佐山山頂と市街地を結ぶ「長崎ロープウェイ」について、2022年度をめどに延伸の可否を含めた今後の方向性を示す考えを明らかにした。延伸する場合は幸町で整備が進む「長崎スタジアムシティ」敷地内を想定。今後、関係機関との調整など課題を整理し、実現可能かどうか検討する。
 永尾春文議員(公明)に股張一男文化観光部長が答えた。
 市観光政策課によると、市は19年度に延伸可能性について調査。延伸と移転設置の4案について検討した結果、延伸は「技術的に可能」とし、幸町の長崎スタジアムシティ予定地に延伸する案が最適と判断した。
 しかし、延伸するためには、巨大な鉄塔を設置する必要があり、近隣住民の同意が不可欠。また設備のための用地買収のほか、道路や河川上空を通過するため、国・県と詳細な協議が必要となるなど、検討すべき課題は多い。今後、事業収支や経済効果なども考慮しながら検討する。
 長崎ロープウェイをめぐっては、長崎スタジアムシティを手掛ける通販大手ジャパネットホールディングス(佐世保市)が延伸を希望。また開業から62年が経過して設備は老朽化し、ふもとにある「淵神社駅舎」の場所が分かりにくいとの声があるとして、市も整備の必要性を検討していた。
 定例市議会は15日、最終本会議で20年度一般会計決算議案など15件を上程、閉会中の各常任委員会に付託し閉会した。

© 株式会社長崎新聞社