公募の市民ら32人熱演 アルカスSASEBOで「わが町 佐世保の物語」上演

約1年半の稽古の成果を披露する出演者たち=佐世保市、アルカスSASEBO

 長崎県佐世保市三浦町のアルカスSASEBOの開館20周年記念事業「わが町 佐世保の物語」が25、26の両日、同館で上演され、両日合わせて約300人が来場した。
 作品は、米国劇作家ソーントン・ワイルダーの名作「わが町」が原作。同市出身の宮原清美さん=東京都在住=が脚本と演出を手掛け、現代の佐世保版にアレンジした。架空の町「ニノマチ」に暮らす住民たちが演劇に取り組む姿を通し、ささいな日常の中にある人生の素晴らしい瞬間や生きる喜びを再認識する物語が描かれている。
 公募で集まった市内外の小学生から80代までの32人が熱演。劇中では「三浦町教会」や「佐世保豆乳」など地元で親しまれている場所や飲み物も“登場”。フィナーレでオリジナルのテーマソングを全員で歌い上げると、会場から大きな拍手が湧いた。

「ニノマチ」に暮らす住民たちを演じる出演者

 観劇した同市上本山町の教員、松浦舞衣さん(31)は「佐世保で過ごす日常がいかに幸せなことかを再確認できた。前よりこの町が好きになった」と高揚した様子。主人公を演じた宮本由香さん(39)は「約1年半かけて皆で作り上げてきたものを見ていただけて感謝しかない。コロナでどうなることかと不安がよぎる時期もあったが、頑張ってきて良かった」と充実した表情を浮かべた。

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