絶滅危惧種タイマイ 海きららで“養生中” 鹿町沖で保護 「見つけたら連絡を」

保護されたタイマイ=佐世保市、海きらら

 長崎県佐世保市鹿子前町の九十九島水族館(海きらら)は、ウミガメの一種「タイマイ」の子どもを保護し、治療養生している。回復の状況を見て海に戻す。
 同館などによると、タイマイは主に熱帯域に生息。成長すると甲長(甲羅の長さ)は50~90センチになる。べっ甲の原料として乱獲されるなどして絶滅の危険性が高く、環境省レッドリストで「絶滅危惧ⅠB類」に指定されている。
 9月30日、同市鹿町町長串漁港沖の岩場で、挟まって身動きがとれない状態になっているところを地元漁師が発見し同館に連絡。駆けつけた同館職員が、弱っている様子などを確認したため保護した。
 甲長37センチで性別は不明。岩に挟まったことによる外傷は今のところ見つかっておらず、今後エックス線を撮るなどしてより詳しい検査を行う。現在はバックヤードの予備槽で、泳いでいる。
 担当職員の泉徹耶さん(36)は「佐世保で発見されたのはここ10年で数件しかない。水族館としてウミガメの保護や混獲調査もしているので、見つけたら連絡してほしい」と話した。

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