持続可能な社会へ 電力消費削減策を市に提案検討 長崎・精道三川台中

SDGsの課題や解決に向けた具体策を議論する生徒ら=長崎市、精道三川台中高

 長崎市三川町の精道三川台中(廣田悠二校長)の授業で、生徒たちが、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けた課題や具体策を議論し、理解を深めた。気候変動問題を検討した班は「電力の使用量を少なくする」などの対策を発表。今後も学習を続け、来年2月に市や民間企業に報告・提案することを検討している。
 社会問題への関心などを育む探究学習の一環。メットライフ生命保険に協力を依頼し、同社員ら2人が今月5、12、19の3日間、全生徒61人を対象に問題解決の手法などを指導した。
 生徒らは班ごとにSDGsの17の目標から一つを選び、課題を挙げた。19日は、影響力が大きい順に優先順位を付け、最も影響が出る課題が生まれる原因や解決策を考えた。
 「気候変動」をテーマにした班は、災害による経済損失を最優先課題に設定。タブレット端末で情報を収集し「台風による建物の倒壊率は60%」とのデータを得た。台風発生の背景に、地球温暖化に伴う海水温の上昇があり、根本的な原因は「電力消費の増加」と結論づけた。
 2年の長友祐樹さん(14)は、飢餓など地球を取り巻く課題や現状を知ったといい「自分の子世代のためにも、できる取り組みをしなければならないと感じた」と話した。

1人1台配布されているタブレット端末で情報を集める生徒

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