長崎サミット 「変革期」の産業活性化議論 ロープウェイ延伸に期待も

1年ぶりの長崎サミットで開会のあいさつをする長崎商工会議所の宮脇会頭=長崎市、出島メッセ長崎

 長崎地域の活性化を考える産学官7団体トップによる「長崎サミット」は4日、長崎市尾上町の出島メッセ長崎で会合を開いた。来年秋の西九州新幹線の暫定開業など「100年に1度の変革期」にあたり、同市の産業活性化などをテーマに議論を深めた。
 長崎サミットは2010年から年2回開いているが、新型コロナウイルス感染拡大で5月の会合は中止し、1年ぶりに開いた。
 1日に開業した出島メッセ長崎の活用について、田上富久市長は「経済界にとってビジネスチャンスにつなげてほしい」と要望。長崎青年会議所の野田剛士理事長は「地域課題を持ち合わせ、解決に向けた活動の拠点になる」、長崎大の河野茂学長は「医学系を中心に活用するとともに、大学と企業の連携の窓口として展開したい」と述べた。
 幸町で整備中の「長崎スタジアムシティ」敷地内への長崎ロープウェイ(稲佐山山頂-淵神社)の延伸構想に期待が寄せられた。長崎経済同友会の中牟田真一代表幹事は「夜景観光など周辺地域全体が魅力的な場所になる」、長崎商工会議所の宮脇雅俊会頭は「稲佐山とスタジアムシティとの連携は大きな効果がある」と市に検討を要請した。
 中村法道知事は、町の変化を経済活性化につなげる方策について「民間事業者がプレーヤーとなり、主体的な取り組みを進めることが大切。長崎サミットが産学官連携のコーディネート機能になってほしい」と提言。県経営者協会の椎葉邦男会長は、基幹産業の造船、発電プラントの現状と今後の展開を説明した。
 このほか、コロナ禍からの経済再生策や本県のオープンイノベーションの現状を話し合った。次回は来年6月に予定。

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