長崎県平戸市で竜巻 倉庫や住宅などに被害 風速推定25メートル

竜巻でトタン屋根が飛ばされた倉庫(中央)。被災家屋は屋根の補修が進められた=10日午後1時15分、平戸市獅子町

 長崎県平戸市獅子町で10日午前7時ごろ、竜巻が発生し、倉庫が半壊したほか、住宅など5棟の屋根瓦が飛ばされるなどの被害が出た。長崎地方気象台が気象庁機動調査班10人を派遣し、風速は推定25メートル、日本版改良藤田スケールでは6段階のうち一番弱い「JEF0」に該当すると判断した。
 同気象台によると、竜巻の根拠として▽発生時に現場付近を活発な積乱雲が通過▽発生時に移動する渦(状の雲)の動画を入手した-としている。被害現場近くの市消防本部職員が通報。調査班が被災住民に聞き取りをした。
 倉庫が半壊するなど被災した女性(61)は「うなるような『うーん』という音と細かい振動を感じて外に出ると、母屋と倉庫の瓦が散乱していた。別の倉庫のトタン屋根も飛ばされ、ひょうも降っていた」と発生直後の状況を話した。
 同市生月町の漁業の男性(32)は出勤中、道の駅生月大橋で撮影し、ツイッターに投稿。「獅子町沖の小島にしぶきが見えた。西から東に流れていき、陸に差しかかったところで(柱状の)漏斗雲は消えた。この辺で竜巻は珍しかったので驚いた」と取材に答えた。
 気象台は11日夜遅くにかけ、局地的に積乱雲が発達し落雷や竜巻などの激しい突風が発生する恐れがあると注意を呼び掛けている。

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