景気「緩やかに持ち直し」10~11月 7カ月ぶり引き上げ 日銀長崎支店

 日銀長崎支店は18日、10~11月の県内金融経済概況を発表した。景気全体について「新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、緩やかに持ち直している」とし、7カ月ぶりに判断を引き上げた。
 4項目で判断を上方修正した。個人消費が7カ月ぶり、観光が2カ月連続、住宅投資が4カ月ぶり。新型コロナの感染者数が減少し、人の流れが回復してきたのが主因。生産は電子部品・デバイスがけん引し、昨年12月以来10カ月ぶりに引き上げた。
 個人消費は一部に弱さが残るが、これまで落ち込んでいた飲食などのサービス消費が徐々に持ち直している。物の消費は堅調。10月の乗用車新車登録台数は前年を下回った。メーカーの減産に伴い納期が長期化する一方、新型車や人気車種の受注は続き、底堅い需要を維持している。
 観光は依然として低い水準だが、持ち直している。修学旅行生を中心に増加し、県内の主要ホテル・旅館宿泊者数や主要観光施設の入場者数がコロナ禍前の8割程度まで戻っている。
 生産は前月までの「持ち直し」の判断を「緩やかな増加基調」に変更。世界的な需要を背景に、電子部品・デバイスの生産が増加しているのが要因。公共投資は高水準で推移。設備投資は大型案件が寄与して増加。雇用・所得は弱い動き。
 鴛海健起(おしうみたけゆき)支店長は今後の見通しについて「感染症の動向のほか、一部でみられる供給制約や原材料のコスト高の影響などを注視していく必要がある」と述べた。

© 株式会社長崎新聞社