被爆体験語り継ぐ 「9日を忘れない」朗読会を再開 長崎・永遠の会

3カ月ぶりに再開した朗読会「9日を忘れない」=長崎市、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(長崎市)の朗読ボランティアの朗読会「9日を忘れない」が、3カ月ぶりに再開した。今回は、被爆直後も自らの責務を全うした地元記者の体験が朗読された。
 8月9日の「長崎原爆の日」にちなみ、「被爆体験を語り継ぐ 永遠(とわ)の会」が約6年前から毎月9日に開催。祈念館が所蔵する被爆体験記集(通称・黒本)などから抜粋し、毎回、会員2人が朗読している。
 今回は内村久子さん(68)と兼松博子さん(71)が登壇。原爆投下時に同盟通信(共同通信などの前身)長崎支局の記者だった松野秀雄さんの体験では、支局長の顔などに窓ガラスの破片が刺さりながらも、電話で原爆投下の第1報を伝えた様子などを朗読。計5編を切々と読み上げた。
 朗読を聞いた小西克毅さん(77)は平和案内人を務めており、「被爆直後に仕事などをやり遂げた人の体験は初めて聞き、驚いた。案内で(体験を)伝えたい」と語った。朗読会は約10人が聴講した。

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