【地域版コラム・うすでこ】

 「代替肉」をテーマにした記事を本紙で読んだ。ひき肉に似せた大豆ミンチといった、肉の代わりになる商品などを指す言葉で、需要が世界的に拡大しているという。背景にあるのは、従来の健康志向に加え、環境意識の高まり。牛のげっぷなど畜産による温室効果ガスの排出量が抑えられるなどの理由から、持続可能な開発目標(SDGs)の実現手段としても注目されているのだという。気になったのが、西都市などの基幹産業である畜産業への影響だ。地球温暖化の抑止は待ったなしの課題だが、食肉の市場規模が縮小していく流れになれば、畜産農家やその家族の暮らし、ひいては、地域の活性化にも影響しかねない。昨今の急激な社会の変化を思うと、早めに、切実に考えておきたい課題だ。

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