上越市立水族博物館「うみがたり」(同市五智2)のイルカプールで防風壁の設置が完了し、20日から運用が開始された。
冷たい冬季間の風を防ぎ、バンドウイルカの飼育環境を改善するため、プールの北側と西側に設置された。
防風壁は、一昨年と昨年にバンドウイルカとシロイルカ各2頭が死んだことを受け、同市が開いた専門家による鯨類飼育環境検証委員会の検証結果を踏まえて設置された。冬季の水温と外気温の差を減らす目的で、昨年度から行っているプールの水位を1メートル下げる措置と併せて行っている。
北側は幅約25メートル、高さ約1・4メートルの防風ネットを11月から翌年3月ごろまでの冬季間に設置している。イルカスタジアムからの海の眺望が通常より遮られるが、冬季間のドルフィンパフォーマンスは水中で行い、館内2階から観覧する形式となっている。西側は厚さ12ミリのガラス壁を常設した。
同市教育総務課によると、検証委員会で外気温と水温の差がイルカにストレスを与えていた可能性が指摘されており、水面上の気温低下抑制が設置の目的だという。また温度差緩和のため、水温を季節に合わせて上下させている。防風壁の効果検証については風速や気温を測定し、専門家のアドバイスを受けて対応するとしている。
イルカプールは上部に折り畳み式の日よけシェードが7月に設置され、夏場の直射日光遮断に活用されている。