クールビズをおしゃれに 長崎県立大佐世保校生がシャツ開発模索 地元縫製業への貢献目指す

九十九島と遊覧船をイメージしたシャツのデザイン案(高橋さん提供)

 地元産のシャツで「おしゃれ」と「地域活性化」の両立を-。長崎県立大佐世保校の学生有志が沖縄の夏の正装「かりゆし」にヒントを得たシャツを開発しようと模索している。色鮮やかなシャツを提案し、地元縫製業の雇用維持・拡大に貢献するのが狙いだ。
 取り組んでいるのは同大経営学部国際経営学科のゼミで学ぶ4年の高橋百子さん(21)ら4人。ゼミの中で地元縫製業者から「海外委託生産」や「少子化による学生服の需要減」など縫製業界を取り巻く環境の厳しさを知ったという。また、社会人のクールビズの装いが「白シャツばかりで画一的」という印象も持っていた。メンバーの大城美乃さん(22)が沖縄県出身であることから「かりゆし」をモデルに、地方縫製業の活性化と「おしゃれなクールビズ」の実現を図ろうと考えた。

シャツ製造のための戦略を話し合うメンバーたち=佐世保市川下町、県立大佐世保校

 すでに本県とゆかりのあるデザイナーに依頼し「九十九島」や「おくんち」など長崎が誇る風景や伝統をイメージしたデザイン案を用意。生産は県内の縫製工場に委託する構想で1着1万~2万円を想定する。地元経済関係者へのニーズ調査も実施。「(製造が)単発で終わらないよう行政を巻き込むのも大切」との助言も受け首長や企業経営者など多くの人と接する立場の人たちに着用してもらい、徐々に浸透させる戦略を考えている。
 現在は製造業者を見つけるべく試行錯誤を続けている4人。高橋さんたちは「見て良し、着て良し、買って良し。この3ポイントを実現したい」と意気込んでいる。

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