「育った街をにぎやかに」 県立大 佐世保校生ら シャッターアート制作中

色の度合いなどを確認しながら色を塗る県立大生ら=佐世保市

 商店街が美術館にー 長崎県立大佐世保校の1年生らが佐世保市中心部のアーケード内で、店舗のシャッターに「アート」を施している。対象は計5店舗。年内での完成を目指し日々「創作活動」に励んでいる。
 旗振り役はともに1年の髙木麻由さん(18)と八尋優花さん(18)。同じ高校に通い佐世保で過ごしてきた。大学入学前から「育ってきた街をにぎやかにしたい」と考え、シャッターアートを思い付いたという。学生が自主的に企画・運営する取り組みに対し大学が奨励金を交付する同大の「やるばいプロジェクト」に申請し採択された。デザインが得意な学生を集め、夏ごろから計画をスタート。約30人が活動している。

シャッターアートに取り組む県立大生ら=佐世保市

 各店舗に電話をし、趣旨を説明。賛同してくれた店舗とデザインの打ち合わせを重ねた。アート作業ができるのは閉店後のためおおむね週2回、夜に活動をしている。
 先月末の夜。デザインの得意なメンバーから助言を受けながら学生たちが黙々とアートに取り組んでいると、仕事帰りの人や酔客らが次々に足を止め写真を撮ったり「頑張ってね」とエールを送ったりしていた。中には「若い人が一生懸命やっているから」と大量のホットドリンクを差し入れる人もあった。
 アートが完成した衣料品店「ベルモードナカムラ」はコスモス、九十九島などを希望。店長の佐々木スマ子さん(81)は「若い人たちが街のために活動してくれることがうれしい」と感慨もひとしおの様子。「(日中も)シャッターを閉めて皆さんに見てもらいたいぐらいよ」と笑顔を浮かべた。
 「多くの人たちに佐世保に愛着を持ってもらいたい」と語る髙木さんと八尋さん。今後も地元を盛り上げるため奔走する意気込みを見せている。

県立大生らが手掛けた店舗のシャッターアート=佐世保市

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