長崎国際大生が期間限定カフェ 西海・横瀬港 地域の協力で出店「地元で人が集まる場を」

8日間限定のカフェ「UMINOUE」をオープンさせた長浦さん(左)と榮門さん=西海市西海町横瀬郷

 長崎県西海市西海町の横瀬港に長崎国際大(長崎県佐世保市)の4年生2人が8日間限定のカフェ「UMINOUE」を10日、オープンさせた。新型コロナ感染拡大防止のため学園祭に出せなかったカフェを開こうと、地域の人の協力で出店にこぎ着けた。「短期間だが、学生でもやればできることを伝えたい」と話している。
 国際観光学科4年の長浦彩良さん(22)=西海市=、榮門慎乃介さん(22)=佐世保市=。2人は県内のカフェを巡ったり、菓子やコーヒーを友人に振る舞ったりするのが好きで、「学園祭でカフェをやりたい」と構想を温めていた。ただ2人とも高校体育の教職課程を専攻しており、学業とスポーツを優先。ひと息つける唯一のタイミングが卒業を控えた今秋の学園祭だったが、飲食の提供は中止に。そこで短期で借りられる店舗を探し始めた。
 2人の活動を知った元同大准教授で、横瀬地区在住の原哲弘さん(67)がサポート。農水産物直売所などを営む山瀧正久さん(74)が「学生さんのためになることならば」と、漁業体験用の海上小屋(約20畳)を光熱費のみで貸し出すことにした。1562年ポルトガル船が入港し、南蛮貿易とキリスト教布教の拠点となった横瀬。「(カフェを通じて)たくさんの人に歴史を知ってほしい」と山瀧さんは願う。
 カフェ出店の夢を叶えた長浦さんは西海市大島町出身。中学、高校時代に島を挙げ開かれるトライアスロン大会を手伝ううち、プレーに魅せられ大学で競技を始めた。大島の大会も新型コロナで2年連続中止となり「学生生活の最後に、地元で人が集まる場所がつくれたら」と思いを語る。
 沖縄出身の榮門さんも「時間がゆったりと流れている西海市は古里に似ている。私たちの行動で、多くの人が西海市を知るきっかけになれば」と話す。店では地元産のミカンを使った生ジュースやマフィンも提供する。
 営業日は12日、17~19日、24~26日の午前9時から午後6時まで。横瀬港口にある八ノ子島十字架塔のイルミネーションの点灯式が行われる24日は午後8時まで。売り上げの一部は環境保全のため西海市に寄付する予定。同店のインスタグラムアカウントは@_uminoue

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