「第6波」どこまで広がる 長崎県内で感染者最多160人 驚く県民「我慢」「不安」

左から13日発表の市町別感染者数、新型コロナウイルス感染者の入院状況(12日午後7時現在)

 長崎県内で新型コロナウイルス感染が急拡大している。13日、新規感染者数が160人と過去最多を記録。県独自の感染レベルも引き上げられた。「第6波」はどこまで広がるのか。県民の間に警戒感が広がり、観光や飲食業者からは「我慢するしかない」「不安」などの声が漏れた。
 長崎市のサービス業の女性(56)は記者から感染者数を伝えられ、「えっ」と目を見開き絶句。「こんなに増えるとかかる可能性が高くなる。感染した場合、病院に入れるかも分からない」と不安を口にした。
 県は、17日から宿泊割引キャンペーンの新規予約受け付け停止を発表。雲仙旅館ホテル組合(雲仙市)の福田努組合長(57)は「医療体制が逼迫(ひっぱく)するのであれば、予約停止は当たり前。経営は大変だが我慢するしかない。感染防止策をさらに徹底させたり、新しい宿泊プランを作ったりして魅力向上を図りたい」と再開に備える。
 県は会食の際にはコロナ対策認証店を利用し、4人以内で2時間以内と要請。長崎市鍛冶屋町の居酒屋「ごはんとお酒の店たけした」は消毒液やアクリル板、二酸化炭素(CO2)測定器を設置し、認証店の申請を検討中だった。店主の竹下義昭さん(51)は「認証店だろうが来客は望めなくなるのでは」。島原市万町で飲食店を営む増田健人さん(29)は「年末年始にお客さんも増えてきていたのに…。また時短営業とか自粛になったら、前回のように協力金が出るか不安」と声を落とした。
 13日、過去最多となる55人の感染者が発表された佐世保市。米海軍佐世保基地関連の初発事例も相次ぐ。同市島瀬町の自営業女性(43)は軍人・軍属の不要不急の外出制限を「もっと早くした方がよかったのでは」と指摘。県看護協会の西村伊知恵会長(67)は医療現場の逼迫を危惧し「県民には自分と周囲の人を守るためにも、これまで以上の感染予防対策をお願いしたい」と求めた。


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