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栃木県内で18日、1日の新型コロナウイルス感染者数が過去最多を更新した。県立高の特色選抜や一般選抜を2、3月に控え、受験生は警戒感を高めている。24日には国体冬季大会の開幕が予定され、開催の可否を巡り揺れる競技関係者。飲食店の関係者にとっても、日常が奪われかねない事態だ。大きな感染の波に再びのみ込まれ、県民は今後の先行きに不安を募らせている。
宇都宮市大通り5丁目の個別指導学習塾「受験舎」では18日、受験生ら約10人が距離を取り、黙々と勉強をしていた。感染対策に神経をとがらせる日常が続く。
同市星が丘中3年増田夏紀(ますだなつき)さん(15)は「感染者が増えている怖さと、休校になって勉強時間が減ってしまう怖さがある。とにかく合格に向けて全力を出したい」と前を向いた。別の中学3年男子生徒(14)は「感染の不安はあるけど、やるしかないです。精いっぱいラストスパートしたい」と吹っ切った。
塾には冬休み明けから、感染による学校の休校に伴う学習相談が寄せられ、その都度リモート形式などで支援している。鈴木克美(すずきかつみ)小・中学部代表は「健康管理を第一に、コロナに不安を抱く精神面を支えることも重要」と力を込めた。
「何年もかけて準備してきたのだから…」。県スケート連盟副会長の浜野勉(はまのつとむ)さん(67)の胸には、国体開催への望みと感染急拡大への不安が複雑に絡む。
日本連盟の役員としてスピード競技のとりまとめ役も担う。万全のコロナ対策、受け入れ態勢をとる自負はある。フィギュアやアイスホッケーなど4競技に全国から約2千人が集うことへの懸念も理解できる。「知事の決断を待つしかない。それまで粛々と備えたい」
宇都宮市馬場通り2丁目でバー「The Cave(ザ・ケイブ)」を営む大塚一人(おおつかかずひと)さん(57)は、県からの時短や休業要請に翻弄(ほんろう)された過去を思い出し、ため息をついた。
「時短営業は客が集中し、逆に密になってしまう。消毒の徹底など店ができる対策はし尽くした」と強調。ワクチンの接種証明を求める制度の運用など、「より効果のある対策を打ち出してほしい」と願った。