平戸で春を告げる野焼き 川内峠

激しく音を立てながら燃え盛る草原=平戸市、川内峠

 長崎県平戸市に春の訪れを告げる野焼きが12日、同市北部の川内峠一帯であり、冬枯れのカヤ、ススキなどが「パチパチ」と激しい音を立てながら炎に包まれた。4月には、緑の草原に再生する。
 川内峠は標高約260メートル。かつては牛の放牧や、かやぶき屋根の材料を確保する場だった。景観維持、飼料用牧草育成などを目的に市が毎春、野焼きを実施している。
 新型コロナウイルス感染予防のため、峠一帯は一般の立ち入りを禁止。市消防本部、消防団、平戸署の担当者、地元4地区の関係者ら約150人が参加。山林に燃え移らないよう警戒しながら作業に当たった。
 木引町原野組合の小野清組合長(81)は「無事に終えられてよかった。地元の若い人たちにもっと参加してほしい」と次世代継承に期待を込めた。


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