長崎県知事選3候補に「言いたい」 若者の声、子育て世代重視を 熱意あるアピール期待

 現職の中村法道候補(71)、新人の大石賢吾(39)、宮沢由彦(54)両候補が立候補している知事選(20日投開票)。長崎新聞は情報窓口ナガサキポストのLINE(ライン)で、候補者3人に「聞きたいこと」「言いたいこと」を募集。「言いたい」編では若い世代の声を反映させてほしいとの真剣な思いや、リーダーとしての熱意、信念を求める声などが挙がった。教育、福祉、子育てなどの課題に早急な対処を求める切実な訴えも相次いだ。

 LINE登録者約2千人に9日までの4日間で尋ねた。回答者は計198人(男性118、女性80)。年代別の内訳は▽20代以下13人▽30~40代63人▽50~60代103人▽70代以上19人-だった。

■懇談を提案

 県民の声を県政に反映させるよう求める意見は、ほぼ全ての世代から多数挙がった。とりわけ若年層の意見反映や、若者、子育て世代の重視を求める声は幅広い世代にわたる。

 長崎市の20代主婦は「もっと若者の声を聞いてほしい。時代は変わってきている」とずばり。同市の50代女性は「若者が定着してくれるような魅力的な県にしていただける候補に投票したい」。同市の20代公務員男性は「(われわれの)悩みや思いを直接聞いて、よりよい施策に取り組んで」と当選後、若者との懇談機会を設けるように提案。

 人口減や県民所得低迷など山積する課題の深刻さを背景に、熱意や信念、粘り強さといった資質を期待する声も多数。同市の60代自営業男性は「打たれても、汚れても、土下座してでもやるときはやるんだと言う気概を感じられる人がいない」と手厳しい。西彼時津町の40代パート女性は「長崎の隅々まで行って、見てきて!」と注文。

■悲痛な訴え

 「子育て中の私が、長崎県に住んでよかったと思うことができません-」(長崎市の40代パート女性)。個別の政策課題では、当事者の言葉が胸に迫る。重度身体障害者という佐世保市の50代会社員女性は、在宅でできる仕事を探したが県内にはなく、東京の会社のテレワークの仕事に就いた。「県内企業でも可能では?」と問題提起。

 教育に関しても現場からとみられる悲痛な声が複数。同市の50代女性は「学校に勤めていますが人が足りません。ブラック企業化しています」。長崎市の50代女性は「このままでは教員になりたい人は減るばかり。私も毎日のように辞めたいと考えています」。

 回答者の悩みや問題意識は一人一人違っても、次の4年間のかじ取り役を選ぶ知事選への期待は一様に大きい。長崎市の50代会社員男性は「誰もが分かりやすく聞ける公約、政策の話を」と候補者に要望。投票権のない東彼東彼杵町の17歳以下男子学生が寄せた「投票できる人へ熱意あるアピールを」との声に、3候補は全力で応えてほしい。(山口恭祐)
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 この調査は無作為抽出で民意を反映する世論調査とは異なります。


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