海老名の立体駐車場、相模川氾濫時の避難場所に無料開放へ

海老名市と協定を締結した商業施設の立体駐車場=海老名市扇町

 神奈川県海老名市は、台風などで相模川が氾濫する恐れがある場合に市内商業施設の立体駐車場を市民向けの緊急避難場所として無料開放してもらえるよう、11施設を所有する10社と協定を結んだ。2019年10月の台風19号の教訓を生かし、市内の高台避難場所として計約6600台分を確保した。

 市によると、相模川の氾濫による浸水想定区域は市役所や海老名駅周辺など市内の半分を占める。19年の台風19号では上流の城山ダム(相模原市緑区)の緊急放流で市内を流れる相模川が氾濫の危機に直面し、市は約5万4千人に避難指示を出した。過去最多の約5千人が避難したが、避難所の駐車場が満車で避難できなかったケースがあったという。

 協定を結んだ立体駐車場は、ららぽーと海老名(同市扇町、1660台)やビナウォーク(同市中央、1230台)などで、ほとんどが浸水区域内にあるため、利用は2階以上に限定し浸水の可能性がある1階部分は閉鎖するという。

 内野優市長は「スムーズな避難を実現していきたい」と話している。

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