諫早市の文芸・音楽ホール 候補地は市役所前広場 市民センターと一体整備へ

 長崎県諫早市の大久保潔重市長は3日、市が計画する約500席規模の文芸・音楽ホール(仮称)について、建設候補地を市役所前芝生広場(東小路町)とし、老朽化した隣接の諫早市民センターと一体的に整備する構想を表明した。建設場所を諫早文化会館隣の市営野球場跡(宇都町)としていた前市長時代の計画から方針転換した格好。同日の定例市議会一般質問で並川和則議員(明政クラブ)に答えた。
 理由について大久保市長は▽同文化会館とエスカレーターなどで結ぶとした従来計画では、建設費や維持管理費が割高となるほか、利用者にも同文化会館との間の移動で不便をかける▽芝生広場は公共交通機関の利便性も高く、中心市街地の活性化、市民文化の振興にも寄与する-と説明。「関係者とも協議し、整備に向けた検討を進めたい」と述べた。老朽化した同文化会館は大規模改修で長寿命化を図るとした。
 同文化会館中ホールは音響や舞台の広さなどで利用者のニーズを満たしていないとして、市芸術文化連盟が新ホール整備を市に要望してきた経緯がある。従来計画では延べ床面積約2600平方メートル、客席約500、駐車場約650台分を整備し2022年度完成を目指していたが、市長は就任直後の昨年6月定例市議会での施政方針説明で、整備計画について仕切り直して検討する考えを示していた。
 新たな候補地の芝生広場は市有地。同市民センターは1972年築で、電気機械の故障や雨漏りなど老朽化が進んでいる。建て替えを検討する時期に来ていることから、市は同市民センターと同ホールを一体的に整備したい考えで、新年度に基本構想の策定作業に入る予定だ。


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